胆石症ってどんな病気?(2022/12/01)

 胆石症とは、胆のうの中に結石ができる病気です。胆石という言葉を耳にされることも多いかと思います。日本の成人全体で約10%が保有していると言われています。肥満体型、40歳以上、女性に多いと言われていましたが、近年では男性の方が多くなっています。

 では、胆のう結石になると、どのような症状があるのでしょうか。実は多くの場合、無症状で経過しています。健診の腹部超音波検査で初めて指摘された、ということもよくあります。症状が出るのは胆石が胆のうの出口をふさいでしまった場合に右上腹部に激痛が生じる、いわゆる胆石発作です。高脂肪食(うな重など、油の多いおいしい食事)などの食後に起こることが多いです。

 さらに、感染症を合併し、急性胆嚢炎を起こした場合にも右上腹部痛、胸やけ・嘔吐、発熱といった症状が出現します。絶食、抗生剤で治療し、炎症がある程度落ち着いた時点で手術をすることが推奨されています。炎症、症状が一旦落ち着いても再発することが多く、胆のうがんの危険も高くなると言われているからです。

 食生活の欧米化(高脂肪食)、アルコール摂取量の増加、コロナ禍での運動不足による肥満など胆のう結石ができやすい時代です。年末年始、おいしいものを食べる機会も多いかと思いますが、いつもより少し食事に気を付けてよいお年をお迎えください。

 

                            アイシークリニック   野上 晃司


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